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CCUS能力評価 新たに解体を追加

建設キャリアアップシステム(CCUS)登録技能者の能力評価を行うことができる対象職種として、新たに「解体」が加わった。これにより全41職種で能力評価が可能になった。全国解体工事業団体連合会(全解工連、東京都中央区)が能力評価実施団体となり、能力評価基準を策定。10月2日から日本機械土工協会に委託する形で能力評価を実施していく。

 全解工連では、登録基幹技能者の育成・活用や、新規入職者の確保と併せてCCUSの加入促進に力を入れてきた。解体工事業界で誇りを持って働ける環境をつくり、処遇改善や若手入職者の促進、解体工事業の地位向上につなげるとしている。2025年度までにCCUSの事業者登録100%、技能者登録80%を目標とする。

 登録技能者の能力評価制度は、職種ごとの能力評価基準に基づき、CCUSに蓄積・登録される建設技能者の技能や経験を客観的に評価する仕組み。能力評価を実施しようとする専門工事業団体が分野ごとに能力評価基準を策定し、国土交通大臣の認定を受けた上で、各団体が能力評価基準に基づき登録技能者の技能レベルを4段階(ゴールド、シルバー、ブルー、ホワイト)で評価する。

 解体技能者の能力評価の申請方法は、全解工連ホームページに掲載している。

 今回の解体の追加で、CCUS登録技能者全体(約130万人)の75%が能力評価を受けられる環境が整ったことになる。

 国交省は引き続き、対象職種の拡大に取り組み、技能者のCCUSレベルに応じた賃金の支払いを後押しし、技能者のさらなる処遇改善につなげるとしている。

 最近ではCCUSレベルを踏まえ、独自に技能者に手当を支給するゼネコンも出始めている。さらに、本年度から建設産業人材確保・育成推進協議会(人材協)による、CCUSのレベルアップのための環境整備に特化した支援事業も始まっており、能力評価基準を持っていない職種・団体で策定に向けた動きが加速しそうだ。

 

■全解工連・高橋副会長「将来性の高い業界へ大きな一歩」

 

 解体技能者の能力評価をはじめるに当たり、全解工連の高橋仁副会長がコメントした。

 コメント全文は以下の通り。

 2022年2月14日付で国土交通省より39番目の登録基幹技能者職種として「解体」が追加されてから、全解工連では登録解体基幹技能者講習考査試験のテキスト・試験問題の作成を進め、本年8月3、4日に全国5会場で548人もの受講者を集め、1回目となる講習考査試験を無事に終了することができた。現時点では合格発表はまだであるが、数多くの登録解体基幹技能者が誕生することとなるだろう。

 それに合わせ10月2日より解体技能者の能力評価制度もいよいよスタートすることとなった。今まで解体工事業では職人を評価する仕組みは社内的なものでしかなかった。しかし、今回、登録解体基幹技能者として、能力評価制度の認定も受けたことにより、外部の人間にもその職人のレベルが分かるようになった。

 解体工事施工技士との相乗効果で技術者と技能者をさらに増やしていき、将来性の高い業界になるための大きな一歩と言える。